バイナリーオプション取引の方法が、日本と海外では違うことをご存知でしょうか?
2013年に日本でのバイナリーオプション取引に規制が導入された為、バイナリーオプションの取引方法に違いが生まれました。
ここでは、バイナリーオプションの規制について説明していきます。
国内のバイナリーオプションの特徴
取引の開始時間から判定時間までに目標のレート(権利行使価格)よりも上がるか、下がるかを予測します。
目標のレートと現在のレートの差が大きい程、予測が難しくなります。
ペイアウト金額(判定後に支払われる金額)が、1,000円と固定されています。
ペイアウト金額が固定されている為、購入額が安ければ、ペイアウト倍率が高くなり、購入額が高ければ、ペイアウト倍率が低くなる、変動制となります。
取引の開始時間から判定時間までの時間が、最短で2時間後と決められています。
取引の判定時間までが2時間と決められているため、一日に取引可能な回数は最大12回となります。
2分前まで取引可能なため、短期取引も可能となります。
国内バイナリーオプション取引は、FXとあまり変わらない取引方法となっています。
海外バイナリーオプションの特徴
取引の開始時間のレートから判定時間のレートが上がっているか、下がっているかをだけを予測する二者択一です。
判定時間を30秒後、60秒後、2分後、5分後、15分後、1時間後、2時間後、1日後など、自分で決める事ができます。
判定時間を自分で決める事ができるので、一日の取引回数も自分で決めることが可能となり、たくさんの取引をすることができま
ペイアウト率は、バイナリーオプション業者が決める事ができ、バイナリーオプション業者により違いますが、1.8倍〜1.9倍のペイアウト率の所が多いようです。
海外のバイナリーオプション取引は、規制前と変わらない取引が可能となっています。
バイナリーオプションの歴史
バイナリーオプションは、IGホールディングスというイギリスの会社が金融商品化した金融取引です。
2003年 正式な金融商品としてアメリカで認められる
2009年 日本のFX ONLINE JAPANと提携する。(現IG証券株式会社)
2012年 バイナリーオプション業者のワーキンググループが設置される。
ワーキンググループは、ある問題や課題に関する調査や対策を考え、解決する方法を話し合う作業を行います。
2013年7月3日 ワーキンググループによる最終報告が金融庁に出され、内閣府により公的規制が導入される。
2013年 7月18日 金融先物取引業協会よりガイドラインが制定される。
2013年 8月 1日 内閣府より公的規制が施行される。
2013年11月30日 規制前のルールによるバイナリーオプション取引が停止される。
バイナリーオプション取引が、短時間の取引が可能なため、投資というよりもギャンブル性が高くなり、多重債務者が増えた事が原因で国内のバイナリーオプション取引に対する規制が行われました。
規制の内容
どのような規制がされたのかを見ていきましょう。
短時間での取引を禁止
短時間での取引が禁止となり、最短の判定時間が取引開始から2時間後となりました。
この為、一日の取引回数も最大12回となりました。
判定時間が長くなったため、より正確なチャート分析をする必要があり、値動きの予測が難しくなった為、問題視されていたギャンブル性が低くなったと言えます。
バイナリーオプション業者『総取り』の禁止
当時は、レンジ外と呼ばれる、レートが上がった場合、下がった場合のどちらになっても、負けという判定になる一定の値幅が設定されていました。
判定時間にレンジ外に入ると、バイナリーオプション業者が利益を得るという仕組みとなっていましたが、禁止となりました。
ペイアウト倍率が変動制に変更
ペイアウト倍率を高く設定すると、高いペイアウト率を狙い、多くの資金を投資に当てる人が増える危険がある為、ペイアウト倍率の設定を禁止し、ペイアウト金額を1,000円と固定しました。
これにより、購入金額が安ければ、ペイアウト率が高くなり、購入金額が高ければペイアウト率が低くなるという変動制へと変わりました。
『売り』・『買い』の2WAY表示
『買い』だけの価格表示から、『売り』と『買い』の両方の価格が表示されるようになりました。
取引の途中キャンセルが可能になった
ペイアウト率が変動制となり、価格が2WAY表示となった事から、取引開始後の途中キャンセルが可能となりました。
キャンセルが可能になって事で、急な相場の転換などによる大きな損失を防ぐ事ができるようになりました。
国内バイナリーオプションを開始する為に必要な事
国内バイナリーオプション業者で、バイナリーオプション取引をする為には、参加する投資家にもいくつかクリアする項目が必要となります。
テストに合格する
詳細はバイナリーオプション業者により異なりますが、20問程度の簡単なテストに合格しないと口座開設の手続きができません。
投資に関する商品の内容や、リスクについての知識を最低限持っている事が条件となっている為、予め勉強をしておく必要があります。
テストが不合格でも、何度でも受ける事は可能となっています。
取引の限度額を決める
一年間の損失の限度額と購入の限度額を決め、バイナリーオプション業者に申告します。
損失額が限度額に達した場合に、取引が出来なくなるようすることが可能になります。
バイナリーオプション業者によって一日の購入限度額も決められています。
審査に通る
海外バイナリーオプション業者と違い、口座開設をする際には、確認書類の提出以外にも審査があり、年収、保有資産、取引経験などの申告が必要となります。
国内バイナリーオプション業者と海外バイナリーオプション業者どっちがいい?
バイナリーオプション取引を始めるに当たり、バイナリーオプション業者を決めなければありません。
どちらを選べばいいのか、規制によって生まれた違いを見ていきましょう。
国内バイナリーオプション業者の良い点
国内バイナリーオプション業者の場合は、金融庁(財務局)への登録が必要となります。
金融庁が監視している事、日本語が通じる事などから、問題点やトラブルなどを相談しやすい点が挙げられます。
信託保全の義務があるので、安心して資金を預ける事が出来ます。
信託保全とは、預けた資金をバイナリーオプション業者の資産と分けて管理し、万が一破綻したとしても、お金が戻ってくる仕組みです。
国内バイナリーオプション業者の悪い点
バイナリーオプション取引の魅力といえば、短時間での取引が可能な点・低資金で始められる点などが挙げられますが、国内バイナリーオプションは、規制が入った事により、FXと同じような投資方法となってしまいました。
規制が入った事で、海外バイナリーオプション業者で取引をするようになった投資家も多いようです。
バイナリーオプションの口座を開設する際の手間暇においても、初心者の方にとっては、敷居の高い物となる可能性があります。
海外バイナリーオプション業者の良い点
規制前と変わらず二者択一の短期取引が可能で、自由度の高い取引をする事が出来ます。
固定のペイアウト倍率によるシンプルな取引方法である事から、国内バイナリーオプションに比べると稼ぎやすく、初心者にとっても始めやすくなっています。
海外バイナリーオプション業者の悪い点
出金時のトラブルが起こりやすく、海外のバイナリーオプション業者の場合、日本の法律では対応できない事があります。
詐欺グループによる海外バイナリーオプション業者もある事、国内バイナリーオプション業者には義務となっている信託保全がされていない業者もあるので、安全面において注意が必要となります。
運営実績や取引実績などの運営歴や会社の住所や連絡先、資金面などの情報、取引条件、出金条件などを確認し、信頼できるかどうかを見極めましょう。
始めやすさや、稼ぎやすさを求めるなら海外バイナリーオプション業者・自分自身の性格や資産管理に不安がある場合や安全面求めるなら国内バイナリーオプション業者などとそれぞれのメリット・デメリットを理解した上で、決めるようにしましょう。
海外での規制
日本では、バイナリーオプション取引に対する規制がされましたが、海外でも同じように規制されている国があります。
- 2017年カナダで取引禁止
- 2018年EUで取引禁止
- 2019年イタリア・イギリスで取引禁止
このように、規制のみならずバイナリーオプション取引を禁止とする国も増えてきています。
フランス・デンマークでも、2019年に禁止する協議が開始されており、アメリカでも米商品先元取引委員会(CFTC)のライセンスを持っている海外バイナリーオプション業者のみで取引が可能という規制をしています。
まとめ
国内のバイナリーオプションの特徴
- 2013年に施行された規制により、国内バイナリーオプションは、FXとあまり変わらない取引になりました。
海外のバイナリーオプションの特徴
- 以前と変わらぬ取引が可能で、低資金・短時間の取引・ハイかローかのシンプル取引方法なため、投資家からの高い人気があります。
バイナリーオプションの歴史
- 投資というよりも、ギャンブルの要素が高く、多重債務者が増えた為、投資家の安全を守るために規制される事になりました。
規制の内容
- 取引時間やペイアウト倍率を変動制にすることにより、より正確な予測が必要となった事でギャンブル的な要素を減らしました。
国内バイナリーオプションを開始するのに必要な事
- 口座開設をするためのテストや、損失額の限度額、購入額の限度額などの設定、書類の提出以外にも、取引経験や、収入額など申告する必要があります。
国内バイナリーオプション業者と海外バイナリーオプション業者どっちがいい?
- 安全面、稼ぎやすさ、取引条件、出金条件などを考慮して、自分にあった業者を選びましょう。
海外での規制
- バイナリーオプションに対する規制は日本のみならず、世界各国でも行われています。
国内バイナリーオプション取引の規制により、海外と国内のバイナリーオプションの取引の違いが出来ました。
これからバイナリーオプション取引を始める方や興味のある方は、違いをよく理解した上でバイナリーオプションを安全に楽しめるよう取り組みましょう。
バイナリーオプションは、短期取引が可能で低資金から始められる投資ですが、低資金でも負けを繰り返せば膨大な資金を失う恐れがあります。
ギャンブル感覚ではなく、正しく投資をするよう心掛けましょう。